「買ってはいけないタイヤ。失敗するタイヤ選び」
買ってはいけないタイヤで命を落とすな!
タイヤ選びの落とし穴。
愛車に装着するタイヤは、安全運転の基盤となる重要なパーツです。
近年ではオークションやネット通販で手軽にタイヤが購入できます。
大手通販サイトでは、全国に提携取付店があり、タイヤの購入からタイヤの取付までトータルサポートがあります。
しかし、オークションやネットで注文する場合は、個人の判断(自己責任)で購入しなければなりません。
所有されているお車にあった適切なタイヤ選びを怠ると、思わぬ事故やトラブルを招きかねません。
「せっかく新品を購入したのに実は、車検に通らないタイヤだった。」とか・・・
本記事では、買ってはいけないタイヤとその理由を詳しく解説し、失敗するタイヤ選びの落とし穴を徹底的に暴きます。
愛車と自身の安全を守るために、ぜひ最後までご覧ください。
- 車に適合していないタイヤ
- タイヤ選びで失敗する例
- コンフォードタイヤ、スタンダードタイヤ、エコタイヤの違い
- 買ってはいけないタイヤ。タイヤの残り溝が50%以下に減った中古タイヤ
- 買ってはいけないタイヤ。気候や地域性に合わないタイヤ
- 買ってはいけないタイヤ。失敗するタイヤ選び、まとめ
車に適合していないタイヤ
車のタイヤを購入する際に、現在付いているタイヤのタイヤサイズだけを見て購入していませんか?
筆者の所有の車は、「トヨタ、ノア」。
タイヤサイズは、205/60R16です。
※HIFLYタイヤのHF201、205/60R16 92V
純正タイヤサイズは、195/65R15 91Sで、インチアップしてます。
下記写真は、運転席の扉を開け、後部座席との間に貼られている空気圧表示ラベルです。
空気圧ラベルには、純正タイヤサイズと指定空気圧が記載されています。
ここでタイヤを購入する際に注意しないといけない表示があります。
195/65R15の後の数字です。
「91S」91という数字です。(アルファベットの解説の後に解説。)
Sのアルファベットは、速度表示で最高速度を示す数字です。
※日本国内の公道は、高速道路でも100kmなので、日本ではあまり重要視しなくても大丈夫です。
「91」という数字は、ロードインデックスと呼ばれる数字です。
ロードインデックスは、タイヤ1本が支えられる最大負荷能力を表す指数のことで、具体的には、タイヤに規定の条件下で負荷することが可能な最大の質量(重さ)のことを指します。
ロードインデックスと速度記号の関係
ロードインデックスは、速度記号(アルファベット)と組み合わせて使用されます。
速度記号(アルファベット)は、タイヤがそのロードインデックスにより示された質量を規定の条件で負荷された状態において走行可能な最高速度を表すものです。
ロードインデックスには、JATMA規格とETRTO規格(XL規格)の2種類
ロードインデックスには、JATMA規格(STD、スタンダード規格)とETRTO規格(XL:エクストラロード規格または、RFD:レインフォースド規格)の2種類があります。
※XL(エクストラロード規格)とRFD(レインフォースド規格)は、同じです。
JATMA規格(STD規格)
- 走行や外気温上昇によりタイヤ内の内圧上昇で、空気圧が300Kpaを超えないように使用。
- 空気圧240Kpaが最大負荷能力。
※国産車、新車装着タイヤ(純正タイヤ)は、JATMA規格のタイヤがほとんどです。
ETRTO規格(XL:エクストラロード規格)
- 走行や外気温上昇によりタイヤ内の内圧上昇で、空気圧が350Kpaを超えないように使用。
- 空気圧290Kpaが最大負荷能力。
ETRTO規格(XL規格)のタイヤは、JATMA規格(STD規格)のタイヤより高い空気圧で使用するように設計されています。
※タイヤサイズの末尾にXLと記載があれば、ETRTO規格のタイヤです。
ETRTO規格(XL:エクストラロード規格)、JATMA規格(STD:スタンダード規格)共に、最大負荷能力の空気圧を超える空気圧にしても、最大負荷能力はかわりません。
むしろ乗り心地の悪化やタイヤの変形、タイヤの性能悪化や偏摩耗といったデメリットがあります。
ノアの場合で比較します。
新車装着(純正)タイヤは、JATMA規格のタイヤです。
「195/65R15」のタイヤサイズは、LI(ロードインデックス)91のJATMA規格とLI(ロードインデックス)95のETRTO規格(XL)の2種類あります。
195/65R15 LI(ロードインデックス)91のタイヤで、JATMA規格(STD:スタンダード規格)空気圧230kPaだと耐荷重600kg。
ETRTO規格(XL:エクストラロード規格)のLI(ロードインデックス)95の場合は、空気圧を250Kpaにする必要があります。(下記表の青枠)
ETRTO規格(XL)のタイヤをJATMA規格と同じ空気圧230Kpaで使用すると、耐荷重(負荷能力)575Kgとなり、強度不足になります。
タイヤの耐荷重(負荷能力)が不足すると、タイヤの寿命が短くなったり、バーストする危険性が高まります。
ご使用の車両に適した空気圧は、運転席側のドアを開けたところに貼ってある「空気圧表示ラベル」に記載されていますので、必ずご確認ください。
JATMA規格のタイヤとETRTO規格のタイヤの見分け方
JATMA規格(STD:スタンダード規格)のタイヤとETRTO規格(XL:エクストラロード規格または、RFD:レインフォースド規格)のタイヤの見分け方は、下記の通りです。
ETROTO規格のタイヤは、「XL」や「EXTRA LOAD」とタイヤ自体に刻印されています。
通販サイトでは、商品名、タイヤサイズの後ろに「XL」の表記がされています。
オートウェイのページが分かりやすいので記載します。
下記画像
YOKOHAMAのタイヤは、「96H XL」と記載があるので、ETROTO規格(XL:エクストラロード規格)のタイヤです。
GOODYEARのタイヤは、「92V」なので、JATMA規格のタイヤです。
タイヤ選びで失敗する例
「トヨタ、ノア」・「トヨタ、ヴォクシー」によく使用される、205/60R16のタイヤですが、「ホンダ、ステップワゴン」にも使用されるタイヤサイズです。
しかし、同じ2000ccクラスのミニバンですが、ノアやヴォクシーと同じタイヤを2022年5月以降発売の現行車両のステップワゴンに使用すると強度不足となり「車検に通らない」や「タイヤの偏摩耗」、最悪のケース「バースト」などのリスクがあります。
下記写真は、筆者の車に取付しているタイヤ「HIFLYタイヤHF201、205/60R16 92V」です。
ロードインデックス「92」(JATMA規格)。
空気圧240KPaだと、630kg。(最大負荷荷重)
ホンダステップワゴンは、純正タイヤサイズ「205/60R16 96H(XL)」です。
※純正タイヤサイズは、ETROTO規格(XL)のタイヤです。
画像の引用元、車両仕様一覧 | STEP WGN 2022 | Honda
ロードインデックス「96(XL)」、後輪の空気圧270kpa。
ETRTO規格(XL)の場合、空気圧270Kpaですと、耐荷重(負荷能力)670kg。(下記表、青枠)
2022年5月発売以降の現行ステップワゴンに、ノア・ヴォクシーの規格にあうタイヤを取り付けてしまうと、強度不足となり、「車検に通らない」や「タイヤの偏摩耗」、最悪のケース「バースト」などのリスクがあります。
特に、車の重量が重たいミニバンの場合、ロードインデックスが不足したタイヤを使用すると、タイヤの破損やバーストする危険性が高まります。
また、タイヤの空気圧が低いと、耐荷重(負荷能力)が低下し、危険です。
車両に適したタイヤの空気圧を守ってください。
月に1度は、空気圧のチェックをオススメします。(ガソリンスタンド、カー用品店、カーディーラ、整備工場にて無料で空気圧チェックをしてもらえます。)
※ご使用の車両に適した空気圧は、運転席側のドアを開けたところに貼ってある「空気圧表示ラベル」に記載。
コンフォードタイヤ、スタンダードタイヤ、エコタイヤの違い
コンフォートタイヤ、スタンダードタイヤ、エコタイヤの違いを解説します。
※下記内容は、あくまで一般的な傾向であり、タイヤによって性能差があります。
コンフォートタイヤは、静粛性や乗り心地、快適性を重視して開発されたタイヤ。
- 静粛性や乗り心地を重視したい方にオススメです。
- ロードノイズやパターンノイズが小さく、柔らかいゴムで衝撃吸収性に優れています。
- ミニバンやワゴン、SUVなどの車種に適しています。
スタンダードタイヤは、基本的な性能をバランス良く備えたタイヤ。
- 価格を抑えつつ、基本的な性能をある程度確保したい方にオススメです。
- ウェット性能、ドライ性能、ライフ性能など、基本的な性能をバランス良く備えています。
- 幅広い車種に適しています。
エコタイヤは、燃費性能を向上させるために開発されたタイヤ。
- 燃費を向上させたい方にオススメです。
- 転がり抵抗が小さく、燃費向上に効果がある
- 燃費を重視したい車種に適しています。
- ウェット性能やドライ性能がコンフォートタイヤやスタンダードタイヤに比べて劣る場合がある点に注意が必要です。
コンフォートタイヤ、スタンダードタイヤ、エコタイヤは、一般タイヤに分類されます。
一般タイヤとは、スポーツタイヤやスタッドレスタイヤ、オールシーズンタイヤなどの特殊なタイヤを除いた、幅広い車種に使用できるタイヤのことを指します。
コンフォートタイヤ、スタンダードタイヤ、エコタイヤを選ぶ際には、車種や使用状況などを考慮して、選択ください。
買ってはいけないタイヤ。タイヤの残り溝が50%以下に減った中古タイヤ
通常、新品のタイヤは、溝の深さが8mmあります。
溝の深さが1.6mm以下になると、スリップサインとタイヤの山(ブロック)の高さが揃います。
スリップサインが1箇所でも出たタイヤは、整備不良となり、車検に通りません。
厳密に言えば、「整備不良」は減点と罰金の対象です。
タイヤの溝が、新品の50%以下(4mm以下)に減ったあたりからハイドロプレーニング現象が起こりやすくなり、急激にタイヤの性能が低下します。
タイヤの溝の性能(タイヤの働き)
- 駆動力の伝達
- 制動力の伝達
- 操縦安定性
- 排水性
- 放熱性
タイヤの溝の役割
- 縦溝は、直線安定性を高める役割
- 横溝は、旋回性能を高める役割があります。
タイヤの溝が減ると、さまざまな危険性が高まります。
代表的な4つの危険性は以下の通りです。
- 雨天時のスリップ
- ブレーキの制動距離が増加
- ハンドリング性能の低下
- 乗り心地の悪化
【 関連記事 】車のタイヤがツルツル。溝がない場合の危険性を解説 - ナイロの備忘録 (nairo716.com)
Q&A
Q.理想的なタイヤ交換は残りの溝が何ミリ?
A.タイヤの性能上の観点から言えば、約4mm(新品タイヤの50%)です。
タイヤの溝は、5,000km毎に約1mm減り、10,000kmで約2mm減ります。
一般的にタイヤの寿命は、3万km~4万kmと言われます。
しかし、タイヤの性能を落とさない、理想的なタイヤ交換は、20,000km。
国産、海外有名メーカーのブランドタイヤは、ドライ路面でのグリップ性能、ウェット路面での排水性能、耐久性能、静粛性のどれを取っても優れたタイヤで安心感があります。
しかし、タイヤの残り溝が50%(4mm)以下になるとタイヤの性能が急激に低下。
ブランドタイヤを中古で購入するよりかは、コスパ重視のタイヤ(俗にいうアジアンタイヤ、輸入タイヤ)を新品で購入し、残り溝が50%(4mm)以下になったあたりから購入を検討し、セールやキャンペーンを利用してお得に購入するほうが、はるかに安全です。
ちまたでは、アジアンタイヤは粗悪なタイヤだとか、国産タイヤの10年遅れの性能だとか言われたりもします。
10年前の国産タイヤの性能は低かったですか?と尋ねたいですね。
コスパ重視(アジアンタイヤや輸入タイヤ)を購入する際は、検査・検品体制、クレーム対応などのアフターフォローも整っている通販サイトでの購入をオススメします。
【 関連記事 】
アジアンタイヤって本当にやばい?後悔する人としない人 - ナイロの備忘録
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タイヤが安い時期は、いつ?「ズバリ、3月と10月でしょう!」 - ナイロの備忘録 (nairo716.com)
買ってはいけないタイヤ。気候や地域性に合わないタイヤ
冬場ほぼ毎日のように雪が降り、道路に積雪・凍結路面(アイスバーン)は、日常茶飯事という降雪地域(寒冷地)にお住まいで、オールシーズンタイヤを購入。
オールシーズンタイヤは、タイヤのゴム自体に特殊なコンパウンド素材を使って冬場でも柔軟性を保ち、降雨時の排水性を高めるトレッドパターン(溝模様)を採用することで、雪道での走行、雨で濡れた路面での走行性能を兼ね備えたタイヤで、夏のドライ路面から冬の雪道まで、1年を通して使用できる全天候型のタイヤのことです。
しかし、オールシーズンタイヤは、積雪路面や凍結路面(アイスバーン)での性能は、スタッドレスタイヤに及びません。
引用元、走れても止まれない、雪道のノーマルタイヤ(JAFユーザーテスト) | JAF
降雪地域(寒冷地)では、スタッドレスタイヤ一択ということです。
オールシーズンタイヤを購入して、後悔する人
オールシーズンタイヤを購入して後悔する方は、以下の通りです。
大前提として、オールシーズンタイヤは、雪道での性能は、スタッドレスタイヤに劣ります。
- 冬場、ほぼ毎日雪が降る、ほぼ毎日道路に積雪がある。
- 年間走行距離が20,000km程度。
- 冬場、山間部や豪雪地帯に行く。
- まったく雪の降らない地域。
- 雪が降ったら車に乗らない。
- 通勤や通学の送り迎えに車を使用しない。
- FR車に乗っている。(ミッドシップ車、後部にエンジンが乗っている車を除く)
FR車の場合は、登り坂になると駆動輪の後輪にトラクションがかかりにくく、スタッドレスタイヤでもスリップしますので、スタッドレスタイヤより雪上性能の劣るオールシーズンタイヤにすると後悔しますよ!!!
※トラクションとは、タイヤが駆動力を地面(路面)に伝える性能のこと。
【 関連記事 】「オールシーズンタイヤやめたほうがいい」は嘘。オススメの人後悔する人 - ナイロの備忘録 (nairo716.com)
買ってはいけないタイヤ。失敗するタイヤ選び、まとめ
この記事では、「買ってはいけないタイヤ。失敗するタイヤ選び」について記載しました。
車のタイヤは、消耗品と言いつつも高価なお買い物です。
金額を重視するあまり、金額とタイヤサイズのみで決定していませんか?
タイヤには、ロードインデックスと呼ばれる重要な数字があります。
現在お使いの車の純正タイヤサイズとロードインデックスをご確認の上、適正なタイヤをご選択ください。
ネット通販でタイヤをご購入される場合は、各通販サイト内で、タイヤを交換(購入)する車の車種、年式、型式を選択後、タイヤサイズを選択することで、車種に適合しないタイヤを選ぶことがなくなります。
タイヤの残り溝が50%以下に減った中古タイヤ
国産、海外有名メーカーのブランドタイヤは、ドライ路面でのグリップ性能、ウェット路面での排水性能、耐久性能、静粛性のどれを取っても優れたタイヤで安心感がありますが、タイヤの残り溝が50%(4mm)以下になるとタイヤの性能が急激に低下します。
タイヤの残り溝が50%以下に減った中古のブランドタイヤを購入するよりかは、コスパ重視のタイヤ(俗にいうアジアンタイヤ、輸入タイヤ)を新品で購入し、残り溝が50%(4mm)以下になったあたりから購入を検討し、セールやキャンペーンを利用してお得に購入するほうが、はるかに安全です。
買ってはいけないタイヤ。気候や地域性に合わないタイヤ
冬場ほぼ毎日のように雪が降り、道路に積雪・凍結路面(アイスバーン)は、日常茶飯事という降雪地域(寒冷地)にお住まいで、オールシーズンタイヤを購入。
オールシーズンタイヤは、雪道での走行、雨で濡れた路面での走行性能を兼ね備えたタイヤです。
夏のドライ路面から冬の雪道まで、1年を通して使用できる全天候型のタイヤですが、積雪路面や凍結路面(アイスバーン)での性能は、スタッドレスタイヤに及びません。
降雪地域(寒冷地)では、スタッドレスタイヤ一択ということです。
愛車に装着するタイヤは、安全運転の基盤となる重要なパーツです。
車種や用途に合せて購入を検討されてみてはいかがでしょうか。
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高額請求に注意!ロードサービスは、どこがいい。JAF非会員の料金 - ナイロの備忘録 (nairo716.com)